デジタルが気忙しい理由。



 
先日のブログ「デジタルは気が忙しい」の続き。
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20100917
 
デジタルの最大の特徴は、コピー。
それも劣化しないほぼ完全なコピー。
保存方法はまだ永久的とはいかないようだが、
コピー自体は完全か。
 
どうもこれがいけないような気がする。
実際忙しくなくても、気忙しく感じさせる要因な気がする。
うまく説明できないが。
筒井康隆さんの「時をかける少女」、
主人公のテレパス少女が、都会の雑踏の中、
意思に関係なく人の思いをすべて読み取ってしまうとき、
あらゆる人の心の声の津波で気が狂いそうになる場面があった。
デジタルのコピーの嵐もそんな感じ。
 
またコピーができるということは、失わないということ。
あるいは、失うときはまったくの0(ゼロ)になるということ。
(PCクラッシュがそうだ…涙)
 
コピーとは変化しないということだ。
コピーは便利だ。
が場合によっては、これが最もよくないことにも感じる。
 
コピーとは、取り返しがつくということか。
PCをいじっていると、どこかにコピーはあるはず、とか思うこと多し。
時間の逆行。
取り返しがつくから、そのもの自体を、その瞬間を、
大切にしなくなる傾向にある。
「時」を大切にしなくなる。
つまりは、目の前の人を大切にしなくなる。
「この人との関係も取り返しがつく。」という怠惰な発想。
「いやなら消そう。」という安易なリセットや危険な思考もこのためか。
 
アナログの最大の特徴は、変化だ。
良くも悪くも変化し続ける。
だから工夫が生まれる。
工夫し続けるから、完全に失うことはない。
 
デジタルは0か1の二進法。
あるか、ないか。
アナログは、変化し続け原形をとどめていなくても
全くゼロにはならない気がする。しぶとい。
 
そんなアナログのいい加減さが、
いま大切な気がしている。
そうはいってもデジタルの恩恵も捨てがたい。
 
さっきこのブログのために文字を入力していて
「コピー」を「こぴー」と実行してしまった。
ひらがな表示がちょっといい。
「digital デジタル」「copy コピー」を
「でじたる」「こぴー」(できれば丸文字)のようなイメージで扱えば、
気忙しくならないですむかもしれない。
気が忙しくならなければ、
きっと目の前の人も自然に大切にできる。
それに人は、動物と違い、本来変化が好きだ。
 
【追記】
テレパシーと言葉について日野がブログに書いてます。
デジタルとアナログ、同じことかもしれません。
よかったらご一読を。
http://d.hatena.ne.jp/satokohino/20101002「企画書の種、3」
 
※写真タイトルは、「Duo3&4 目の前の人を大切に」。