傍観者効果。わが子と他人の子たち。


  
以下、ウィキペディアより。

傍観者効果(ぼうかんしゃこうか,英:bystander effect)
社会心理学の用語であり、集団心理の一つ。 ある事件に対して、自分以外に傍観者がいる時に率先して行動を起こさない心理である。傍観者が多いほど、その効果は高い。 これは、以下の3つの考えによって起こる。
●多元的無知 - 他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考える。
●責任分散 - 他者と同調することで責任や非難が分散されると考える。
●評価懸念 - 行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れる。

2番目がクセモノだ。
1番目もよくありがち。 
 
夏休みも明けた。
川崎は26日始業式。
と同時に、僕のスクールガードも再開。
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20100714
 
で本日、いつものようにスクールゾーンをパトロール
この登下校路は、車一台+αの幅しかない狭い一方通行路、
にもかかわらずトラックが頻繁に入ってくる危険ゾーン。
なんと数年前まで相互通行路だった、信じられない。
その100メートルほどの狭い道の入口には幹線道路が交差、
出口には片側1車線だが車の通行量が少なくはない道が交差している。
つまり危険な一方通行路の入口&出口も、これまたかなり危険なのだ。
そこで、この近辺にはPTAの全ママさんたちが
5箇所のポイントに分かれて一人ずつ、
交替で立ってくれることになっている。
が、全員揃うことのほうが実は少ない。
みんな、忙しいのだ。
そこで僕の出番となったりする。
欠番ポイントならびにその日危険だと判断されるポイント近くに
僕が立つ。
ちなみに、当日危険だと判断するポイントとは、
子どもたちの交通指導に慣れていないママさんが立っているところ。
 
で、今日の事件。
事件と言っても、
子どもたちが怪我したわけではないのでご心配なく。
 
僕はいつも、自宅からまず学校に向けて早めに出発、
7歳の長女や近所の子どもたちと一緒に10分ほど歩く。
危険路も通過する。
ママさんの出欠は、このときチェック。
学校に到着後、シミやん(前述の日記参照)と挨拶を交わし、
今度は一人で学校側から逆流して、
登校する子どもたちと挨拶を交わしながら危険ポイントへ。
その日最も危険だと思われるポイントに立つ。
登校ピーク。
 
本日、
学校側から逆行して今日の危険ポイントに向かう途中、
例の一方通行路出口(学校寄り)の信号でのこと。
青、子どもたちは横断歩道を渡ってこちらに向かってきた。
子どもたちの波に押され、
子どもたちの登校を優先させるため
逆行している僕は横断歩道手前数メートルの
コンビニの軒下で流れを避けた。
 
と同時にその横断歩道に目をやると、
一台の軽自動車がこちらにお尻を向けて停車、
ウィンカーは左に出ている。
おそらく子どもたちと同じ信号を
子どもたちとは反対側のこっち側で待っていたのだろう、
左折しようとして停車中かと思いきや、なんと
じわじわ進んでいるではないか。
つまり子どもたちが横断している流れの中に、
車の鼻先を突っ込もうとしている。
無理やり左折する気か?!
子どもたち、それも低学年が多い時間帯だった、
その子たちはまだどんどん横断歩道を渡っている。
(おい、コラ、ちょっと待て!)
 
(危ない!!)
とっさに子どもたちの波をかき分け、
横断歩道のその軽の前に立ちはだかろうとした直前、
子どもたちの流れが切れた。
信号向こう側に立っていたママさんがまだ青にもかかわらず、
子どもたちの横断を制止してくれたからだ。
流れのその隙をついて、軽は左折急発進、走り去った。
 
危なかったなぁ。
でここで、すぐ思ったのが、昨夜テレビ番組で見た
「傍観者効果」のことだった。
 
子どもたちの横断を制止したママさん
(便宜上ママさんAと呼ぶ)のアクションは、
やってくれて本当によかったけれど、ただ
明らかに遅すぎた。
車が来たら子どもを止めるか、車を止めるか
どちらかすぐにやらないと危険。
その判断に時間がかかりすぎている。
その理由は、反対側(こっち側)にもう一人別のママさん
(ママさんB)がいたからではないか。
 
そのママさんBのほうが、はるかに問題の軽に近い。
が、そのママさんBはまったく動かなかった。
車を制止しようともしなかった。
子どもを誘導することもしていない。
文字通りの棒立ち。
それはきっと、自分の反対側で子どもたちを横断させている
ママさんAの存在が影響している。
 
簡単に言えば、「お見合い」だった、おそらく。
そのため、子どもたちに危険が迫った。
 
傍観者効果。
これは誰もが持つ心理だ。
今回の件の場合、
横断歩道手前数メートルで流れを避けた僕の理由も、
これかもしれない。
この信号の両側にママさんA・Bが立ってくれていることを、
僕自身がすでに知っていたから、かもしれない。
僕も無意識に、好ましいとは思えないこの効果に
知らず知らずのうちにやられていたのだ、たぶん。
 
逆に傍観者が自分ひとりのとき人は、
他者が緊急事態のそのとき、
人はほぼ100%、何とか救おうと行動を起こすらしい。
「俺がやらなきゃ誰がやる。」
火事場の馬鹿力もこの種の気持ちなのかもしれない。
 
自分が守る。
瞬時にこの思いが湧き上がるためには、
やはり日々考え続けることがとても大事だと実感。
 
★★★★★★★
 
そして本日、
なによりの問題・課題は、
これ。
これはどう考えればいい?
 
問題の軽自動車を運転していたのは、
仕事に急ぐ若い男性などではなかった。
女性、それもママさんだった。
助手席には4歳くらいの女の子、
運転しているママさんの服は、普段着ではなかったように思う。
おそらく仕事の前、その子を保育園に預けにいくところ。
僕はそう判断した。
事情は、誰にでもある。
そのママさんも事後、反省してくれていると思う。
 
※写真は、「Duo3 冬の海」。