野外勉強会!

“あやのぎ塾”第1回勉強会を実施。



来年春のASC第39回公演/創立15周年記念公演第1弾「ペリクリーズ」
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20091002
に先駆けて、“ニューフィクション”メソッドの実践的な熟成のために実施することにしました。最終的には野外にて発表したい。発表が野外なら、じゃ稽古も野外のほうがいいのではと思いつき、ではそうしようということに相成りました。
なぜ野外?!
 
“ニューフィクション”メソッドの根幹、新しい関係の構築とその連続、その実践に最適な環境、それが野外。だって、閉ざされた屋内よりもはるかに予想外の刺激が野外では起こる。とくに子どもたちなどの見学や乱入など大歓迎。絵物語のような「ペリクリーズ」を題材に、通りすがりの子どもたちと一緒に作品創造ができれば、もうこれ以上の演劇創造活動はありえないのではないかと思ってしまう。
 
それから、創発
創発とは、超簡単に言うと、ある一定時間の単純なルールの繰り返しののち、思いもよらない創造活動が突然現れることをいうらしい。別の資料にはちょっとむずかしく、「全体を構成する個別要素の相互作用によって予期しなかった全体的な特性が現れること。そしてその特性が各要素に再び影響を与える。こうした全体と個との相互作用が繰り返されること。」ともあった。
新しい関係を渇望し続ける意志と姿勢の繰り返しから、いったいどんな予期せぬ創造が発生するのか。その流れをもっと明確にしてみたい。
単純なルールの繰り返し、それはたとえばストレッチマンからも学びたい。彼はストレッチに悩んだらストレッチをまずやるのだ。すごい。
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20090921
 
大人の変革。
この記事
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20090930
からの僕のブレインストーミング(以下)。
 
大人の責任だ。だから大人が変わらねば。そのためには、子どもから学ぶしかない。どこで子どもから学ぶ? 子どもがいるところ、つまりは学校か広場だ。稽古場の中に引きこもって大人だけの環境の中いくら子どものことを考えていても限界がある。
外に出よう。
 
自由に、できるだけ自然に、子どもたちと一緒にいたい。その環境とは? その居方とは? そしてそこで何を学ぶ? 最終的には、大人は子どもたちに何をしたいのだ? あるいはどんな責任があるのか?
 
当たり前のことを伝えたい。
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20090929
人が人である証し、いいもわるいもない当たり前のこと、それをちゃんと伝えたい。
伝える? いや共有したい、共感したい、それが広がっていけばそれこそが演劇だ。
人であることに、生きていることに子どもたちと一緒に感動したいのだ。
 
 
野外でのリハーサルは、10月13日(火)よりスタート。場所は、川崎市等々力緑地フロンターレの本拠地等々力競技場のある広大な緑地。その一角のどこかが今回のリハーサル会場。リハーサル中に掲げる横断幕(といってもポスターくらい)ももう注文しちゃった。
ただまだ正式に許可を申請していないので、あまり具体的にここではかけない。許可が間に合わなければ、そこで遊んでいる子どもたちと一緒に何かゲームなどをやってもいい。みなさんもぜひ遊びに来てください。
 
ちなみに同じ緑地内の川崎市民ミュージアム、その中の「逍遥空間」という抜群に素敵な場所での公演も近い将来実現したいと思ってる。写真はその市民ミュージアム正面玄関と、そこを入ってすぐの逍遥空間。
 
子どもにとっての毎日は、新しい関係の連続でしかない。経験のない子どもは、出会うものがすべて新しいのだ。そして子どもは、一日中ずっと新しい関係を創るため全身全霊で何かと誰かとかかわっている。その膨大なエネルギーはいったいどこから生まれるのか。大人がそのエネルギーに負けない覚悟さえできれば、もしかすると社会はいろんなところでうまく回りはじめるような気がする。
 
 
ところで、今回の勉強会に参加するにあたって、“あやのぎ塾”の塾生たちがその思いをメールにてコメントしてくれました。イメージの鮮明さ、獲得したいものなど各人様々ですが、以下に列挙しました。順は、メール到着順です。
 
真鍋
『今回子供たちと一緒にするうえで子供の真っすぐな目線を自分も得たいと思います。フィルターをかけない真っすぐで素直な思いは子供ならではだと思いますし何より生きることに迷いがないところはニューフィクションに通ずるところがあると思います。
子供はニューフィクションの天才とおっしゃった様に子供と関係をどう作っていくか、これが僕の意思です。』
  
秋山
『ペリクリーズの稽古ですが、周りに人がいる日中に、行う事に大賛成です。
昨日訪れた時も、子供や親子、様々な人がいました。交流を持つことが出来れば、とても素敵な創作活動になると思います!
稽古場がフルオープンというのも初体験で、ワクワクします。
そして子供たちは素直そのものだと思います。小手先やかっこつけでは喜んでくれないと思います。そこから、「お客様を喜ばせるには」というところから稽古に入ってみたいと思います。』
 
大西
『今回の勉強会、野外での稽古ということで、楽しんで参加したいと思います。たくさんの新しいことへの挑戦で、芝居に対しての益々の意欲を持って参加したいです。自分自身がこれから先に芝居をやっていく上での指針になるような稽古にしたいと思います。』
 
日野
『私は、全員がどの役でもやることができるという“ニューフィクション”メソッドを、今度こそやってみたいです。
それには、稽古場は刻々と変化する野外ですし、いつ何時参加者・見学者の来るかわからない常に新しい状況の中でやることは、可能性が未知数にあると思います。
今が生み出している、その連続の稽古・勉強会にしたいです。
今回の勉強会で生まれるはずのたくさんの発見を、本公演にもっていきたいです。
稽古時間は、基本的には昼から夕方にかけてがいいのではないかと思います。人がいると思うので。ただ、色んな時間帯にやってみたいとも思います。例えば、早朝、朝靄の中やるのも何か生まれるような気がします。星空の下も魅力的です。』