サマーキャンプ終了。

案の定眠れなかった恒例の夏合宿。なぜみんな寝ないのか。
今回は、例年にない参加者で盛り上がった。たぶん高校生は初参加。数日後の19日・20日に本番が迫っている「鳥取ハムレット」のメンバーが、台風の影響による大渋滞の中17時間バスにゆれて三浦海岸に到着、参加してくれた。引率の塾生(日野・秋山・真鍋)、それに桐朋演劇科の現役大生影山、お疲れ様。みんな、ありがとう。
 
数日前の鳥取での陣中見舞いでは、僕はみんなのモチベーションを上げることに集中した。
http://d.hatena.ne.jp/ayanogi/20090810
大人がつい忘れてしまう高校生の純真さ、そのおかげで思いのほか成果を上げることができたと思う。
だが、合宿ではそれだけではいけないと思っていた。合宿で同じことをやってしまうと、たぶん彼らは油断して一番大切な本番で失敗してしまう。モチベーションをあげるだけでは、創造力は具体的な表現力まで高まらない。表現力のための第一歩は、自己との真摯な対峙を避けてはありえない。つまり、普段は直視しない自分の一面とも新しい関係を構築する必要がある。
高校生という年代は、自己との対峙が日常的に活発に行われている。だから、本当に早い。今現在の自分自身を受け入れることにかけては、この年代はあらゆる世代中ダントツ一位なのではないだろうか。最もきちんと自分というものを捉えている。その上で彼らが希求しているものは、未来へビジョンだ。
今の高校生が未来へのビジョンを明確に持ちにくいのは、大人の責任だ。いや持ちにくいのではなく、ビジョンはしっかりあっても諦めがちなのだ。「きっとムリだ」と。「大人になればさらに夢に近づけるのではないか」それを今の大人は彼らに強くアピールできないでいる。が、そんな社会の中にあっても演劇を志す若者は必ずいる。いや、たぶんその数は増えている。未来へのビジョンの実現にこそ、演劇は有効だ。なぜか、それは人との真の交流を、他者との新しい関係の構築を強力に実現していく力をもっているからだ。人との有機的な関係なくして、夢は実現しない。人こそ、夢だ。
 
そのことに無意識のうちに気が付いているからこそ、そしてそれに真正面から対峙し逃げることを自己に対し決して許さないからこそ、青春の悩みは尽きない。鳥取の高校生も、みんなそうだ。だから素敵だ。ハムレットそのものだ。
 
合宿では、やはり彼らが中心となった。若者が中心。それは社会全体の構図と同じ。次世代のことを第一に考えてこそ、社会には可能性が生まれる。高校生を温かく見守り、その中で自己研鑽を重ねてくださった大人の合宿参加者のみなさん、本当にありがとうございました。
  
 
しかし、3泊4日、連続して寝不足なのは、この歳だとこたえるなぁ。やっぱり高校生にはかなわない。。。
http://d.hatena.ne.jp/tottorihamlet/