最高の稽古最終日!

昨日17日は「ヴェニスの商人」リハーサル最終日、11回目の通し稽古を行った。演出を担当している僕がいうと手前味噌はなはだしいが、本当にいい作品に仕上がっている。稽古を観ていて僕は一人にんまりし、また感謝の気持ちで一杯。
で、通し終了後にミーティング。「僕は大満足、嬉しかったです!」というとなんだかみんなは拍子抜けの顔。あまり明るい顔じゃない。そんな空気のなか代表して後藤敦さんが発言してくれる。「自分の課題がいろいろ見つかって、そういう意味ではとてもよかった最終通し稽古だった」。なるほどなぁ、そうかそうか。
今回のこの作品、観客の観るものが「人」しかいない。舞台美術に大きな仕掛けがあったり、衣裳が超ゴージャスだったり、眩いばかりの照明の変化や大音響の音楽があったり、などなどがまったくない。とにかく、「人」だけ。だからこそ、すこぶる面白い。
がしかし、やる側の俳優にとってみると、自分という「人」をどこまでも観せ続けるわけだから際限がない。つまり、どんなに最善を尽くしてもまだまだその先はある感じがして仕方ないのだ。きりがない。達成感や満足感など容易に手に入らない。「まだまだ、もっともっと」っていう感じ。それが通し終了直後のみんなの共通の思い。ということはこの芝居、もっともっと良くなる!

お世話になった急な坂スタジオ、その稽古場をバラし、その後顔合わせの3月2日にもみんなで行った中華料理店に行く。爆笑、爆笑、大爆笑。今回のメンバーとは、本当によく笑い合う。毎日必ず大爆笑があった稽古の日々だった。へんに煮詰まらなく、熟成されていく稽古の日々だった。
笑顔でみんなと別れた。こんなに幸せなリハーサル最終日はこれまでなかったように思う。
ありがとうございます!!
今日から3泊4日は、“ニューフィクション”合宿。翌22日、いよいよ劇場入りだ。