共感こそ、命。
観客と人生を共感する。
そのために、たとえばシェイクスピアの登場人物は
しゃべりすぎるくらいしゃべる。
人に伝えようとする熱。
劇的登場人物の熱は、高い。
熱の高さは、心拍数の速さ、呼吸の深さ、
その回数に比例する。
呼吸。
これさえコントロールできれば、共感を得ることができる。
言葉だって、吐息の一部。
心拍数も呼吸で変わる。
呼吸は、気。
オーラといってもいい。
名優の語るつぶやくような台詞が
大劇場の最後列まで聞こえてくるのは、
実は音声そのものではなく、呼吸を通して
その人物の気を観客が受け取っているからだ。
そのとき観客は共感し、感動する。