「俳優」、そして「女優」。

 
  「俳優」とは、人に非ず優れし者。
 
僕が講師をしているパフォーミング・アート・センター(PAC)代表の
野沢那智さんからの言葉。
  
声の仕事はその学校の上層組織のオフィスPACにお世話になっている。 
この1週間は、僕もオフィスPACの所属生たちと一緒に野沢さんのレッスンを受けてみた。
 
久々の受講生としてのレッスン。
すこぶる楽しかった。そして、とても勉強になった。
この年齢になると、なかなか辛らつなだめだしに出会うことがないのだが、
20代の若者たちに対するのと同じように野沢さんも適確に指導してくれる。
 
ありがたい。
普段ASCの研究生に僕も言っていることなのに、
自分の技術が鈍っていることなどにたくさん気付かされた。
そして、弱点はいつまでたっても弱点だということも。
弱点は根源的にはなくならないものだ。
それをコントロールする技術が必要。
その技術の精度は、つねに鍛錬が必要。
そんなことを強く実感。熱い1週間だった。
 
そのレッスンの中での野沢さんの言葉が、先のもの。
いい言葉だ。
「人にあらず、人を憂うもの」というのも昔だれからか聞いた。
これもいい。
 
「俳優」が人にあらず優れし者ならば、
「声優」はさしずめ、声に優れし者。
そして「女優」は、女として優れし者、あるいは女として人を憂う者か。
 
この並べてみると、
「女優」という言葉が一番素敵な気がしてきた。
一番オオモトというか。
 
女性がいなけりゃ、人生何も始まらない。
その女性の中でも、
女として優れていて、かつ女として人を憂う。
最高の人間性ということか。
 
どんな稽古場でも、やっぱり女優にはかなわないはずだ。
 
【PS】
今日から22日まで、恒例の夏合宿。
これまた熱い毎日になりそう。
いってきま〜す!