なぜに失敗?! 三重Duo。

体育館の図面

以下ブレインストーミングの図




 
2月28日、満を持して
シェイクスピア Duo オンデマンド”〜目の前の人を大切に〜
じゃじゃ馬ならし
三重県伊勢学園高校『平成22年度 3年生を送る会』公演に臨んだ。
40メートル×25メートルの客席一体の演技エリア、
その実寸でのリハーサルは関東で事前にできなかったものの、
そのほかの準備はかなり充実していた。
とくにプランニングには自信があった。今でも。
ASCの新境地開拓となるべき、記念すべき公演となるはずだった。
成功のビジョンも見えていた。
  
が、結果は
正直に言う、失敗だ。大失敗だと思う。
こんなことを発言するのは、
伊勢学園の生徒536名のみんなや先生方には本当に申し訳ないけれど、
そのことをよく知っているのも伊勢学園の皆さんだ。
本当にすみませんでした!
終演直前、演じていながら「引退」を考えていた。
いまでも全く考えていないわけじゃない。
僕の演劇人生の中で、最高の挫折感と無力感を味わった舞台だった。
すべてが崩れ落ちた感じ。立っていられない感じ。
なんせ、高校の卒業記念にピッタリ、これは大成功するぞ、と思っていたから。 
  
近年にないくらいエネルギーをかけて創った。
文字通り寝食を忘れて創った。
体重はこの2か月で8キロ落ちた。
自分の一生懸命さと努力は、
必ずしも作品の成果を測る物差しにはならない典型。
   
なぜだ?
 
空間と時間、この把握が甘かった。
幅3.5メートル・長さ40メートルのメイン演技エリア。
それにプラス、三方向にある2階ギャラリーと、通常のステージ。
体育館全体を前向きのみならず背中でもとらえ演じるこのプラン。
そのための上演時間の計算が甘かった。
つまり、
通常のセリフのスピードでは、この空間をとらえきれなかった。
ある程度は想定していたが、それが桁外れだった。
目の前に観客がいて、40メートル先にも(時にはうしろにも)観客がいる。
この特殊空間を自分の身体ひとつでとらえるためには、
体力もさることながら、時間がかかる。
 
休憩前まではまずまずの出来だったが、
やはり終演予定時間の大幅な超過は見えていた。
そこで休憩後は、本番中に余儀なくシーンカット、
(伊勢学園上演用にもっとも工夫を凝らした場面だった)
それでも足りずに芝居を中断し、運転免許教習所に予約がある3年生20〜30名が退出。
謝罪をし、何とかつなぎ、どうにか終幕(5幕)へ。
さらに日野との打ち合わせなくシーンをカットしながら、
(つまり日野は、僕がその場で作り出す新しいセリフで次の場がカットされることを知らされる)
最後のキャタリーナの長台詞にたどり着き、それを日野は言い終えた。
そして僕(ペトルーチオ)の最後のセリフ、
「みんな、どうかみんなもいい夢を!」
   
ラストの日野の長台詞を聞きながら、僕は「引退」を考えていた。
もはやこれは芝居ではない。
人生で二度とない高校の卒業記念に、僕は何をしでかしたのだ。
〜目の前の人を大切に〜、聞いて飽きれる。
  
後片付けを率先して手伝ってくれる生徒や
ねぎらいの声をかけてくださる先生も。
公演当日夜、早速ツイッターでフォローしてくれる生徒もいた。
ありがたい。
が、自分で自分が許せない。
やるだけはやったつもりで、この程度か。
ゴリラさんに来てもらって本当によかった。
ハッピーゴリラかなめちゃんは、大人気だった。
 
その要さんに帰りの車中6時間、とても気を使ってもらい、
バルーンパフォーマンスについて、いろいろお話を聞かせてもらった。
いや、風船は奥が深い。感謝。
真夜中に要さんを杉並の自宅で降ろし、
その足で稲田堤の倉庫に行き荷降ろし、
日野を送り、レンタカーを返したのが翌朝6:00。
帰宅の足は重いというか、軽いというか、自分の存在を感じない。
  
子どもたちは、もう起きていた。
その子たちに少し癒され、泥のように眠る。
眠りながらも自分の甘さを考えていた。
「やるべきことをやっていなかったのだ」と。
 
「やるべきこと」とは、理屈じゃない。
ごくごく「あたりまえのこと」だ。
それをやっていなかった、
自分の我を優先させていたにすぎない。
  
この挫折と屈辱感、罪悪感。
倒れてしまったものは仕方がない。
さてここからどう起き上がるか。
起き上がってこそ、
伊勢学園の皆さんにももしかしたら許してもらえるのでは。
  
ここ数日そんなことを考えていて、ご報告が遅くなりました。
すみません。 
まだ頭の中はまとまっていません。
まとめるべく動かしています。
画像は、その作業の一つ、ブレインストーミングの図です。
幼稚なことしか書いていません。