鳥取「ハムレット」、無事千秋楽。

19日、「マクベス」の旅先三重県の津から鳥取県倉吉市に向かう。いよいよ彼らの初日だ。19日の昼間はGP(最終舞台稽古)、夜は本番。20日は、マチネ・ソワレの2ステージ。全部で3ステージの彼らの「ハムレット」。
  
開演2時間前に到着。思ったよりも落ち着いているみんなの顔。ちょっと安心した。
初日観劇。不思議な舞台となっていた。とてもストレートで自然な「ハムレット」。こんなのはこれまで観たことない。たぶんプロには創ることのできないものだ。無理がない、押し付けがましくない、舞台にいる出演者みんなが真実だった。おおいに考えさせられる。
  
もちろん、技術的に未熟なところはたくさんある。が、そんなところを観ていても意味がない、面白くない。彼らがこの作品に取り組んだ心意気の核が観たかった。そして、それをちゃんと伝えてくれた。嬉しかった。そのお返しに、翌日の2ステージまでに僕ができることは何かを考えた。
明かり(照明)を直そう、そう思った。
 
真鍋の演出は、実にいい。ストレートで好感が持てた。幕切れなど僕には真似のできない彼独特のものだった。ただ、明かりが暗かった。おしいのだ。瑞々しいみんなの表情が今ひとつ客席に届かない。初演出でありがちなミス。毎日稽古場でみているものだから、また演出アイデアを何度も練っている分自分の頭の中では鮮明にみえちゃってるものだから、実際の光量が足りないのだ。よし、僕の出番。
 
翌日、9時から真鍋とプランナーの方と明かりの直し。約3時間で完了。これでよく観えるだろう。大丈夫のはず。それにしても明け方4時過ぎまで僕の話に付き合ったり、殺陣の稽古をしていた東京組(日野・秋山・真鍋・影山)は、眠そうな顔ひとつせず、高校生が補講のため13時まで楽屋入りできない分、彼らの衣裳の洗濯などそれぞれのスタッフワークで忙しそうに立ち働いていた。えらい。高校生のお母さん方も同じく動いてくださっていた。感謝。
 
で僕は、高校生たちの楽屋入りを待ち、その明るい顔をみてから退散。あとはみんなに任せて帰京した。東京で用があったのもあるが、たぶん最後まではいないほうがいいと思った。彼らの舞台なのだ、あとは彼らに完全に任せたほうがいい。
実は内心とても気になった。明かりを直したせいで動きが変わってしまう箇所に、東京に向かう特急列車の中で気が付いたりして、何度か真鍋にメールした。「今頃はきっとマチネが終わった頃だ」「お、ソワレ開演したな」などとずっと考えながら帰京。自宅到着が、ちょうど千秋楽ソワレの終演予定時刻だった。
風呂に入りPCを開くと、もうすでに今回の特設ブログに高校生が書き込んでいた。事故もなくいい形で終わったようで、ほっとした。日野から電話がある。照明が変わったためかみんな良かったとのこと。観客の評価も昨日より高かったらしい。当然だ。明るくなればその分観客が観てくれる。気やエネルギーが出演者に伝わる。よって、出演者は元気になり芝居はよくなる。

高校生の親御さんたち、きっととても大変な1ヶ月間だったにちがいない。本当に、本当にお疲れ様でした。心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。みんなとても貴重な体験をしたと思います。今後の将来に必ず役に立つと思います。
 
なんだか自分が出演した舞台が終わるよりもせつない。こんなこと初めてだ。
鳥取の熱い夏は、僕にとってもかなり熱い夏となった。
こんな機会をつくってくれたみんな、本当にありがとう!!!
また逢おうな。
 
  
これからまだ記事がアップされるのではと思います。以下のブログ、しばらく気にかけてやってください。
 
鳥取ハムレットhttp://d.hatena.ne.jp/tottorihamlet/
日野http://d.hatena.ne.jp/satokohino/
秋山http://d.hatena.ne.jp/akinoyugure/
真鍋http://d.hatena.ne.jp/yoshihiko123/