合宿感想メールその13(最後) 古田きょう花さんより 〜俳優志望の若き才能・初参加〜

 
古田さんはとても不思議な魅力をもっている。
初めてあったのは、“あやのぎ塾”レッスンの見学に来たとき。
24歳、ふぁーとそこにいる。
 
その理由のひとつに、どうやら近視ということが絡んでいたようだ。
裸眼で0.1くらいとのこと。
そのままメガネやコンタクトで矯正もしないで日常を過ごしているとのこと。
ぼくも裸眼は0.1位なので、どんな風に見えているかは想像できる。
まあ、ほとんど見えてない。
それに、両耳ともに感音性難聴とは本人の弁。
 
その二つのウィークポイントが
今回の合宿で彼女に劇的な自己発見をさせることになる。
 
そのひとつ、難聴について。
彼女が難聴であることを僕たちはあらかじめ聞いていたが、
合宿中ほとんど意識しなかった。
逆に、彼女は難聴ではない普通の人より耳がいいのではないかと思ったくらい。
後で知ったが、身体的な耳の機能と人の聴く能力はまったく別物らしい、医学的に。
彼女は機能的に難聴であるがために、聴く能力が数段にアップしている。
これは素晴らしい才能だ。
 
意志の力。
 
この「意志の力」こそが、個々にとってもっとも大切であるということ、
その再発見と実感、それが合宿での参加者全員にとっての最大の収穫だった。
 
「まず最初に、自分が決める。」
 
最終日のミーティングのとき、古田さんは
合宿での自分なりの成果について具体的に言えないもどかしさから、費用に例えてこう言ってくれた。
今回の費用がたとえ10倍であったとしても高いとは思えません、っと。
ありがとう(笑)。
 
彼女は、メガネをかけることを決意した。
そしてその後、どんな発見があったのか。
それは彼女がくれた以下3通のメールを読んでください。
僕の返信はたいしたこと言ってないので、今回は省きます。
 
合宿感想メール、まだまだあるのですがこれで終わりにします。
長々とお読みくださりありがとうございました。
またメールを送ってくれたみんな、本当にありがとう。
今回の合宿の成果に気をよくして、僕は
この冬や来春、冬季または春季合宿を計画しようと思ってます。
 
次回は、合宿を通して僕が感じた
“ニューフィクション”“ニューアクション”メソッドの効用について、
書こうと思います。
 
 
【古田きょう花さんからのメール 2008.8.26 9:44】
 
お久しぶりです。
合宿後のことを報告させて頂きたいと思い、メールを送らせて頂きました。
 
あれからしばらくは初めて「自由」を知った喜びと感動で涙腺がゆるゆるでした。
「私は自由になりたがっていたんだな−」と自由になった今、自由ではなかった自分に気が付き涙しました。
しかも自分をそんな状態にしていたのもまた自分だったという事実に涙です。 
 
「人のために演劇を」と思っていたのですがそれよりも
「何を解りたいのかも解らず衝動の赴くままに演劇を選んでいた」という方が正確な気がします、
つまりは自分のために。
それに気が付いた最終日、初めて演劇を辞めようと思いました。恋も消えました。
でも演劇をいざ捨てようとすると何か躊躇するものがあり、それが何なのかを考えた時、
やっと解ったのです。
とてもおこがましいかもしれませんが、
「私が役者であるからなのだ」と。「役者になる」のではなく「役者だからやる」のだと解ったのです…
・・・やります。
プラス、今はすごく恋愛がしたいです。
好きな人を見つけ「伝え、受ける」という関係を持つことが楽しみです。
 
ちなみに今日、メガネの処方箋をゲットします!
  
 
【古田きょう花さんからのメール2「自由」 2008.9.2 9:42】
 
心は他人の心にも動ける自由なものということを学びました。
それも自分の観念といえばそうなのですが、
それでも少なくとも目を合わすことで心も合わすことができるということを感じました。
心の自由を知りました。
 
合宿後は人の目ばかり観察するようになり…すごく目の綺麗な人に恋(?)しました。
目が綺麗な人は心も濁りがなくて透明なのではないかと思います。
とても大人な人ですが目は子供のように純粋、素敵な人です。
目の重さを教えて下さった彩乃木さんのためにも、今度こそは気持ちを伝え、
その反応もちゃんと見るようにしたいですO(≧∇≦)o
 
明日からメガネっ娘デビューです、乱視のために遅くなりました。
人やものをよく見て、目に磨きをかけたいと思います!
 
 
【古田きょう花さんからのメール3「メガネの日々」 2008.9.5 20:31】
 
以前は人の目を見る行為を「頑張って」やっていました。
特に怖いとは思っていなかったのですが、やはり少なからず恐怖心を持っていたと思います。
メガネをかけるとそれまでのことが嘘のようになんでもなくなりました。
人がはっきり見えることで恐怖心が無くなりました。
人の目を見ることは特別「頑張って」やるほどのことではないと解りました。
見えないから分からず、分からないために怖くて見なかったのだと思います。
 
なによりも感動したことは笑顔です。
私の周りにいる人達の笑顔がこんなにも優しくてキラキラしたものだとは知りませんでした。
「今までの人生、損してた〜!」と本気で思いました。
 
…恋は今のところ何にも進展がありません(TωT)