倉庫整理。

先日、ASCの倉庫を徹底的に整理した。
必要に迫られたからだ。
倉庫として借りている古い平屋の民家が取り壊されることになった。
引越し予定日は、14日(土)。
 
もとは農家だったのか広い土間もあり、
ちょっとした道具はそこでたたけてもいた(製作できた)。
 
広い物置スペースがあるとどうなるか、
荷物がどんどん増える。
「とりあえずとっとくか、また使うかもしれないから」
ということで、何年も置きっぱなしになるものが増える。
 
でるわでるわ、要らないもののゴミ袋。
45リットルのゴミ袋の数、たぶん40袋くらいが破棄処分。
おかげでとてもすっきりした。
 
作業時間にして、3人で15時間。
腰が痛い。
 
時間がかかりすぎ?
う〜ん、そうかもしれない。
特に僕は、整理に時間がかかっていたかも。
 
なぜか。
思い出を捨てるのに、決心の時間がかかる。
12年前の創立記念公演「ジュリアス・シーザー」で使ったっきり
これまでまったく袖を通していない衣裳などが出てきた。
捨てるべきか、捨てざるべきか、それが問題だ。
この思案に、時間がかかる。
結局とっておいた。思い切れなかった。
でもでも思い切ったものも数多くあったぞ。
 
ちなみに、ASCの歴史どころか、
それ以前のグローブ座カンパニー最盛期の頃の
懐かしの小道具などもなぜかうちの倉庫から出てきた。
思い出した、グローブ座転売のときもらったんだ。
 
そして、アクセサリーケースからは、
なんと昨年亡くなった恩師北村和夫さんが使用した
「オセロー」のオセロー指輪が出てきた。
僕の初舞台作品で、そのときは北村さんの付き人もやっていた。
その記念に、北村さんからいただいたもの。
いつか僕も使わせてもらおうと思ってとっておいたものだ。
形見となってしまった。
自宅に持ち帰る。 
 
倉庫にも歴史あり。
が、思い出に浸っている場合ではない。
同じ日に秋葉原で殺傷事件があった。
携帯にかかってきた電話でそのことを知り、携帯でニュースを見る。
感傷的な気持ちは一気に吹っ飛ぶ。
 
倉庫を整理し引っ越して、
芝居を創り続けねばならない。