共感。

『誰か他の人になった気がすることができる動物、それが人間。』
 
こんな言葉をきいた。
つまり、共感ということ。
 
他者に自分の感情を伝えようとすることは、
ゴリラなどの類人猿もするそうだ。
ただし、1対1の関係においてのみとのこと。
食べ物を取り合ったり、オス同士がメスを取り合ったりするときに、
怒りの感情を相手にぶつけるときなどがそれ。
 
しかし人間は、多数の他者との共感を求める唯一の動物らしい。
動物学的にも、そここそが人間らしさの定義らしい。
 
イマジネーションと共感。
 
自分ではない誰か他の人、それも複数の人の立場をイメージできる。
だから、ともに分かり合える。
それだけで、感動できる。
 
ただ現代では、他者に対するイメージより
自分の中へのイマジネーションに重きを置く傾向にあるような気がする。
よって共感も得にくい。
利害を越えたところで、ともに共感できない状況。
共感しにくい社会は、他者を排他する傾向にある。
それはひいては、人の命をも脅かすのではないか。
 
中国の大地震ミャンマーのサイクロン。
中国、諸外国からの援助受け入れが遅すぎた!
生存率が極端に減る72時間を大きく過ぎてからやっとだ。
どんな政治的理由があれ、人の命が最優先のはず。
そのためにこその政治、自明の理。
ミャンマーもどうなってる?
人命の尊厳、それに対してすら共感できない社会、
中国やミャンマーの問題だけではない、今の日本もそうなりつつある。
 
共感なくしてはありえない演劇という行為、
そこにこそ、使命がある。