本番。よかったり、そうでなかったり。

芝居は本当に生き物、面白い。
11日(金)に初日。
そのマチネ(昼公演)は、悪くなかった。
が、初日にありがちな硬さはあった。
だけど、よかった。
 
ソワレ(夜公演)、よかった!
これでいいぞ、安心だ。
ただしまだ、創り手側のいろいろな計算が見え隠れする。
それをどうするか。
いくつかの具体的な提案をメンバーにした。 
 
そのあとの12日(土)マチネ、
稽古期間中も含め、これまでで最悪だった。
新たな挑戦のための、成功への過渡期の失敗なのか、
そうではないなら、何が原因なのか。
 
最悪だったことをメンバーに告げたあとの12日ソワレ、
最高だった、これまでのなかで。
 
コウシ曰く、
「自分ではいつも同じつもり、何がよくて何が悪いのか分かりませ〜ん」
となりで日野もうなずく。
祐君は、まっすぐな瞳で僕の答えを待つ。
 
僕、「たぶん関係性だよ」
 
個人がいくらいつもと同じつもりでも、
相手の調子が変わっていれば同じなんてありえない。
相手との関係が、ライブである本番中きちんと取れているかどうかが、
うまくいったかどうかのバロメーターだ。
 
さらに大切なことは、その回のお客さんの気だ。
その気が欲しているところの呼吸を、俳優ができたかどうか、
それが面白いかどうかの差。
 
どんな商売でも共通の論理、需要と供給。
その回のお客さんが求めるところの需要を
創り手側がどう満たしどう供給できるか。
それこそ、ライブの命。
 
そのための準備が、稽古。
ただし、稽古は万能ではない。
 
芝居は、お客さんと創るもの。
うまくいったりいかなかったりは、
観客と俳優のコミュニケーションの力による。 
 
お客さんはチケット代を払ってくれて、
思いっきり能動的に交流を求めてくれている。
その熱き思いに、こちら側がどう応えるか。
 
人と強烈に関わりたいという堅固で寛容な意志、その熱烈な熱、灼熱の体温、愛。
それらをシェイクスピアサルトルも確実に持っている。
僕らにそれがあるか!?
 
今日13日(日)は早くも千秋楽。
1時間40分の公演を3回やる。
 
自分の体温で火傷してみたいなぁ。
(ちょっとくさいかな)
 
サルトルと、「恭しき娼婦」という作品、
共演者、スタッフ、それを支えてくれたたくさんの人たち、
そして、観客の皆さん、
本当にありがとうございます!! 
 
やります。