稽古場での発見10・・・ばらばら。

芝居は、本当に面白い。
 
日野・コウシ、昨日はすこぶるすばらしかったのに、今日は壊滅。
壊滅とは、二人の関係性のこと。
昨日深い関係になったのに、今日はまったくの赤の他人。
傍で見ていると、あっけにとられるくらいなのに、
本人たちにあまり自覚はない。 
 
面白いなぁ。
 
今日は、そんな小返し稽古の後、通し稽古をやった。
前半、びっくりするくらい良かった。
特に、日野が。
最近日野のことを褒めるが、実際いい。
がしかし、後半、日野が最悪だった。
芝居を壊した!
 
極端すぎる。
それゆえ、僕はいろんなことを考えてしまうではないか。
つまり、
原因は演出か、演技指導か、はたまたリーダーシップか???
 
役者とは、幸せだなぁ。
 
そんなことはつゆとも考えずに、
稽古後の飲み会でビールを飲める、美味しそうに。
心地よい汗なのか。
羨ましすぎる。
 
役者の仕事は、
ひたすら自分の役づくりに没頭すること。
そのための悩みごとは、まるで一個人の自分のことのよう。
役という別人格のことなのに。
 
役づくりへの悩みは、尽きない。
だからこそ、役が深まり、観客の共感を呼ぶ。
感動を呼ぶ。  
 
今日の壊滅状態は、悩んだ賜物。
だからこそ、本番では胸を張って謙虚になれる。
 
期待してください。
 
【追記】まったく脈絡ないけど、日本のオペラ歌手も
歌い方に悩むのと同じくらい役づくりに悩んでくれれば、
もっともっと、オペラが広まるのになぁ、ふと思った。
だって台詞などの言葉なんかより、音楽のもつ力のほうが
絶対的に圧倒的なのになぁ。
日本のオペラ歌手は、怠慢です。音楽性をたてにとり、役づくりが幼稚。
オペラの演出を五回ほどやらせてもらった、その正直な感想。
オペラという芸術ジャンルは、演劇にとって脅威的存在であるはず。
なのにその圧倒的な力を発揮できずにいる日本のオペラ歌手は、
やっぱり怠け者だなぁ。
 
本番直前にして、
のんきにビールを飲んでいるふりをしながら
実はとことん役づくりに悩んでいる日野やコウシは、えらい!