稽古場での発見3・・・ゴジラ。

ゴジラ」という映画。
第1作目のコンセプトは、反核
核実験が頻繁に行われていた当時、
放射能によって突然変異し巨大化したオオトカゲが、
人類に報復するという痛烈な社会風刺。 
 
反核反戦というシビアなテーマを
大人のみならず子供にも受け入れられる
怪獣というキャラクターを用いた当時の映画人は、すごい。
 
僕はそこに、ユーモアを感じる。
 
この場合のユーモアは、人間愛。
間違いをしでかしてしまうのが人間。
その負の部分をも寛容、その上で叱咤する。
それも直接的な方法ではないところが、愛だ。
 
リッジーも恋するフレッドに怒りを爆発させるときがある。
非常にストレートだが、決してヒステリーではない。
ゴジラの持つユーモアが、リッジーにも宿る。
そうなれば、
ジュリエットやオフィーリアにも勝るとも劣らない
この上なく魅力的な女性が出現することになる。
 
この作品が痛烈な不条理劇でありながら
希望を感じさせるファルス(笑劇)でもある秘密が、
きっとそんなところに潜んでいる気がする。
 
稽古は楽しい。
僕のイマジネーションをこれでもかと刺激してくれる
今回の出演者のみんなに大感謝。
これまでの12年間のASCの稽古場での時間、
その中で最高に楽しいもののひとつになっている。