迷走&瞑想からの脱出、光明みっけっ!

今日の通し稽古で、早くも迷走からの脱出の糸口発見。
いつも研究生たちに言っていることなのに、
やっぱり僕もまだまだだなぁ。
 
これまで、バッキンガムという人物を自分なりにいろいろと考察してきた。
その考察に、僕自身がとらわれ続けていたのだ。
演技とは、「役に近づく」行為だと僕は思う。
ただしそれは、役づくりをしていく過程での、自己の意識の問題においてだ。
最終的に本番で演じるのは、世界でただ一人しか存在しない「自分自身」なのだ。
僕を含め、人は常にこの世において、
「オンリーワン」かつ「スペシャルワン」の存在だ。
だからこそ、「役に近づく」。
「役を自分に近づける」必要はない。
なぜなら、世界唯一の存在の僕が、演じるからなのだ。
 
だが役づくりの最終段階で必要なことは逆に、その意識を完全に忘れることだ。
もう役に近づく必要はない。
役はもう僕自身の中に息づいているはずだ。
 
僕はすでに、彩乃木バッキンガムなのだ!
 
そう思ったら、今日の通し稽古が実に楽しかった。
徹底的にこだわり続け、最後はそのこだわりを捨て去る。
仏教の教えにも通じてるな、これは。
今日は、有意義な一日。
 
帰りの渋谷駅で、
イギリス帰りの吉田剛太郎さんと偶然会う。
蜷川「タイタス・アンドロニカス」で、
シェイクスピアの本拠地RSCでの公演を終えたばかり。
連日スタンディング・オベーションだったとのこと。
「気持ちよかったぞ、RSCで、それは!」
自信に満ち溢れた笑顔が印象的。
日本人がRSCの劇場で、しかもタイトルロールでスタンディング!
素晴らしい快挙。
思えば、剛太郎さんからは、これまで沢山のことを教えてもらった。
そしてそんなに歳の離れていない彼に、たくさん嫉妬もした。
今も嫉妬してる。実に羨ましい。
くそ〜、僕も負けないぞ〜〜〜〜〜〜〜
 
明日は最後の通し稽古。
彩乃木バッキンガムの登場だ!