*[演劇教育]いいとこ伸ばすか、足りないところを補うか。
 
教育問題ではすでに語りつくされているテーマだ。
だが具体的には明快な答えが出ない、
結果が出ない、
つい間違ってしまうことでもある。
  
理屈の上では簡単だ。
いいとこ伸ばすほうが理にかなっている。
そうすれば、おそらく短所の改善も連動していく。
短所だけに目を向けると、長所も萎縮しがちだ。
結果短所はちっとも改善されなかったりする。
指導者の視野も狭くなる。
 
だけど実際の現場では、
長所を伸ばそうと努めても、頑固な短所がしつこく顔をだし、
指導者はそれどころではなくなる。
たとえば僕という指導者は、心がけてはいるものの、
いつの間にか短所撲滅作業だけに没頭していたりする。
結果、長いお説教。
それも聞き飽きたもの、僕もしゃべり飽きたもの。
じゃあしゃべるなよ。お互いに不幸じゃないか。
 
不真面目なやつはまだ救われる。
まじめなヤツは、不必要にたくさんの挫折感を抱え込んでしまう。
「また言われた。。オレはダメなヤツなんだ。。。」
教育者失格。
 
教え子をみて
「う〜ん、おしいっ!」「あ〜、またか」
という思いによくかられる、
そこからどれだけ自由になれるか、それが指導する側の心のコツか。
その子に対する指導期限を
自分の中にこっそり設定しておくこともミソかも。
親が自分の子にしつこくなるのは、
一生の責任を感じてたくさん背負ってしまうからだ、おそらく。
 
人生に対するその子の意志と
おのれの教育行為とを
一緒にするから混乱するんだな、きっと。
 
その子の意志強化&夢実現のために何かをやろうとするから
こっちが間違うような気がしてきたぞ。
その子がどんな意志をもっていようといまいと、
またその意志が強かろうが弱かろうが、
教育者の実際の行為は、
その子の長所を伸ばしてやることに尽きるのだな。
 
それ以外のことは、おせっかいなのだ。
もっといえば、教育者の独りよがり&偽善的行為になりかねない。
「せっかく面倒見てやったのになんだよ」ってな不満がもれるとき、
すでにかなり以前から指導者は間違っていた証しか。
気持ちはよくわかるけど。
 
話は変わるが、
新塾生シンヤ、好調にレッスンに励んでいる。
自分の目標と課題をまっすぐ一直線で捉えることができている、いまのところ。
だから好奇心旺盛だ。
政治のこと、ほかの塾生の抱えている課題などにもとても興味を示す。
そのとっつき方がまるで5歳児のようだ。カワイイ。
若さの証しか。彼の本来の資質か。
いずれにしろ「いいとこ」だ。
そこ一点に注目して指導していこう。
 
※写真は、前回公演「ペリクリーズ」のチラシデザイン第2案。
都会の星空の中の子どもたち。