自己肯定感。

今回の「オセロー」は、稽古の進め方がこれまでとは全く違う。
というより、抜本的改革のため、
これまでの方法をやめてみたのだ。
正直言うと、新しい方法が具体的に思いつかなかった。
だからとりあえず、これまでの方法を捨てた。
 
これまでの方法を捨てる、
言葉にすると簡単だが、これが実に難しい。
ついつい従来の方法を無意識に選んでしまう。
だから常に意識的に捨てなくてはならない。
 
すると、みんなが自発的に「考え」始めてくれた。
やったッ!
「考える」。
考える時間が充実するときこそ、いい作品が生まれる。
 
考え、形にし、さらに考え、よりよい形となっていく。
そこにこそ、自己肯定感があるのではないだろうか。
他者から肯定されたときにも自信は生まれるが、
自分が自身の根拠でもって自己を肯定できるとき、
またそのような思考回路を習慣化できていくとき、
達成感とともに大きな自信が育まれる。
 
個々人の自己肯定感こそ、
組織の抜本的改革、その原動力のような気がする。