抜本的改革!

ジュリアス・シーザー」のチラシ掲載のコメント下書きができたので、
まずはブログにて発表します。
 
抜本的改革と人間の尊厳、
    “雌(おんな)がいて、雄(おとこ)がいる。”

アカデミック・シェイクスピア・カンパニー(ASC)代表 彩乃木崇之
 
ブルータスは、ローマ政治における抜本的改革を行おうとした。
肉親ともいえるシーザーの暗殺。それはすべてローマのためであった。
しかし、改革はみごと失敗に終わり、ブルータスはシーザー暗殺を悔やみながら自害して果てる。
  
抜本的改革。それも、180度真反対の改善。
時としてそれはとても斬新で、大きな影響力を持つ。
ただしこの作品の場合、一人の人物の存在を抹消するという条件を伴っている。
 
人間存在の抹消による抜本的改革。
過去どころか現在においても、革命と名のつくものの殆どが殺人を意味している。
 
抜本的改革と人間尊厳の意味。
これが、今回の第一のコンセプトだ。
 
第2のコンセプトは、女性だ。
雄(おとこ)たちの権力闘争における雌(おんな)の影響力の大きさ。
ブルータスの妻ポーシャは、夫との誓いを守る証として短剣を自らの太腿につきたて、
最期は火を飲み込んで自殺した。
物語の進行にはほとんど無関係な女性たち、しかし強烈な個性をもつ彼女らは、
男たちにいったいどんな影響を与えたのか。
“雌(おんな)がいて、雄(おとこ)がいる。”
 
ASCは、本年満10歳となりました。本当にありがとうございます。
10周年目のこの1年間は、とてもエキサイティングでした。
そしてまた今は、抜本的改革を行う時期にさしかかっていると、僕は強く感じます。
人として互いの尊厳を重んじ、またその上で、
大きな抜本的改革がなされるためにはどのように取り組んでいけばよいのか。
ジュリアス・シーザー」は、東京グローブ座での旗揚げ公演の作品でした。
また、この1年間に渡り上演した創立10周年記念公演シリーズの第3弾、ファイナルです。
どうぞご期待ください。
  
変革に向け、ASCは大きく羽ばたきます!